歳が近づくとこの詩の重みを感じてしまう
あの日の母を思い出す
「100歳の詩人 柴田トヨ」
『くじけないで』より
母Ⅰ
亡くなった母とおなじ
九十二歳をむかえた今
母のことを思う
老人ホームに
母を訪ねるたび
その帰りは辛かった
私をいつまでも見送る
母
どんよりとした空
風にゆれるコスモス
今もはっきりと覚えて
いる
「100歳の詩人 柴田トヨ」
『くじけないで』
1911(明治44)年6月26日 栃木市に生まれる。
裕福な米穀商の一人娘だったが、十代の頃に家が傾き、料理屋などヘ奉公に出る。
三十三歳のとき、調理師の柴田曳吉と結婚。翌年、健一を授かる。
曳吉とは1992(平成4)年、死別。宇都宮市内で一人暮らし。
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